かたけん つれづれ日記

大工あがりの頑固おやじが造る こだわりの木の家

本日は建前なり


私の仕事の一つに、建前時の玉串(榊に紙をつけたもの)の準備がある。
夕方から行われる上棟式に使うものだ。


玉串は一軒のお宅で約10本〜15本必要になるため、一年間で相当な榊が必要になる。
地鎮祭も上棟式も家を建てるには欠かせない儀式。その儀式で玉串は必要不可欠なものだ。
スーパーなどで榊は売られているが、よせてあったりしてあまり立派なものはない。
一生に一度の大切な儀式に  “しょぼい榊”  では、うちの社長は許さない。
だから何年か前から片建設の会社の裏で榊を育てている。


木が大きくなりすぎると、私が取りにくくなるので様子をみながら社長が
ばっさばっさと上のほうを切ってくれる。(丸刈りのときもあったりした…これには困った。)
元気のないときは肥料をまいたりする。
あめしろ(毛虫)が発生する時期は消毒もする。


栄養と日光をたっぷりと浴びて育った榊は、こうして使われるのだ。
   
上棟式のお供えもののするめの匂いを嗅ぎ付けて
  のそのそとやってきたらーちゃん。


最近では、この上棟式を行わない業者もあると聞いた。
若い方は「そんなのいいよ〜、めんどくさい〜」と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、
一生に一度かもしれない家造りを、ひとつひとつ楽しんで体験してもらいたいと思う。