素人なのに職業病
今、高床山(たかとこやま)の上に中継局を建てるお仕事をさせていただいている。
市の入札のお仕事だ。
市から入札の案内をいただいたとき、私は「高床中継局」と書いてあった書類を見て
「高床(たかゆか)の中継局なのか〜」
「やっぱ山だから雪も降るし、そういう意味で基礎を高くして、高床(たかゆか)にしたのかな〜」
と、勝手な解釈をしていた。
会社に帰ってきた三川部長に
私「高床(たかゆか)の中継局みたいですよ!」と話す。
その私の横でお母さんが
母「高床(たかとこ)の工事みたいです。」と言いなおす。
「お母さん、何をいっているの!?“たかとこ”じゃなくて“たかゆか”でしょ!!」
いつもはすぐに言う私だが、このときはなぜか口に出さず心の中で
「お母さん、なんかわけわからんこと言ってるわ〜」と思っていた。
しばらくして、また工事の話になった。
お母さんはやっぱり「たかとこ、たかとこ」と言っている。
何回も言われると、さすがに言わずにはいられなくなってきた。
「お母さん、“たかゆか”の中継局だって!」と私はお母さんに言った。
その言葉を聞いてお母さんは きょとん とした表情で、
「あんた、だからさっき“たかゆか”っていってたの?
高床山の上に建てるんだからたかとこだよ!」と言った。
入社仕立ての頃、高床(たかゆか)ってなんですか?と聞いてから、
高床の文字をみるたびに、基礎が高い高床(たかゆか)だと思い込むようになってしまっていた。
お恥ずかしいことに素人なのに職業病になってしまっている。
思い込みには注意せねばと実感した瞬間だった。